
岡山県の勝山という田舎で、
パン屋さんを営んでいる著者。
酵母、乳酸菌、麹菌など、
パン作りに必要な『菌』について、
全て天然菌を育てて使っています。
著者が最初の就職先で感じたおかしさ、
パン屋での修行で学んだ現代のパン作りのこと、
修行と同時に読み始めたマルクスの本の話、
資本主義のおかしさ・不自然さ、
実際にパン屋を開いた話と、
その後の移転の話、
天然麹菌作りの悪戦苦闘や
現在行っているパン作りのこと、
目指していること、
これからの社会の仕組みの提案などについて、
書かれていた本でした。
わかりやすく、読みやすい文面で、
学ぶことが多い本でした。
パン作りの話や、
著者の人生・経歴の話も面白かったですが、
本来、腐る・発酵することにより、
全てのものは姿を変える。
それが自然なのに、
腐ることがない、資本主義やおカネ、
おカネが生み出す利潤。
今の経済を腐らせ、
経済も「発酵」させるという考え方が、
何より、とても面白かったです。
最後に。
パン作りやパン屋さんの話でも、
経済の話でもありませんが、
一番、私の心に残った文章を…。
“手っ取り早く何者かになろうとしたってなれっこない。
何かに必死で打ち込み、
何かを極めようと熱中していると、
ひとりひとりがもつ能力や個性が、
「内なる力」が、
大きく花開くことになるのだ。”
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