「ちょっと読んでみよう」と、休日に表紙を開いてみたのが最後、
読み始めたらとまらない!
「中途半端に読んだら、却って気になって、家事に差し支える」
と、最後まで一気読みしました。
『若冲』 澤田瞳子著

伊藤若冲の存在と作品を知ったのは割と最近・・・数年前。
若冲作品にはファンも多いと思いますが、私も好きです。
重い過去。
行き場のない感情。
苦悩を抱え、どうにもならない人生を、
どうにか生きる、登場人物たち。
そこに彩りを添える作品の数々。
目もくらむような絵が、実物を見なくても
浮かんでくるようでした。
絶対にフィクションが入っている というのはわかるのですが、
どこまでが史実で、どこからが作者の創作なのか・・・。
作中に出てくる絵は、全て実在しているので、
絵を見ながら読んでも面白いかもしれません。
全体的に暗い内容ですが、サラリと読め、
最後に全てがつながり、少し光のある終わり方に、救われた思いです。
(余談ですが、文章から、著者は50代かと勝手に思っていたのですが、
予想以上にお若く、歳が近かった・・・大変失礼いたしました

この小説では、若冲が筆をとる理由もとっても暗いのですが、
う~ん、そこは著者の創作なのかな・・・?
私は若冲の絵に、そんなに暗い情念のようなものを感じたことがないので、
もし、本当にこういう気持ちで若冲が絵を描いていたというのなら、
私、アーティストとしてちょっとどうよ という話ですね(滝汗)
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